製作著作 © 2009 Mike Massonnet
フリーソフトウェア財団が公表する GNU フリー文書利用許諾契約書の第1.3版、あるいはそれ以降のいずれかの版の条件下において、この文書の複製、配布および/または変更が許可されます。変更出来ない箇所、表紙文および裏表紙文があってはいけません。この利用許諾契約書の全文はフリーソフトウェア財団から取得する事ができます。
April 2009
Clipman は Xfce 用のクリップボードマネージャです。これは、通常アプリケーションが終了した時に失われてしまうクリップボードの内容を保持します。文字列および画像を扱うことができ、選択された文字列が、指定された正規表現とマッチしたときに任意の処理を実行する機能も持っています。
(すべての Unix プラットフォームにおける) X11 には、デフォルトで、あらゆるウィンドウ間でデータを交換するために 2 つのクリップボードが用意されています。デフォルトクリップボードは、手動のコピー操作 (例えば、ファイルを選択してコピーボタンを押したときなど) によって変更され、プライマリクリップボードは、対象を選択した時点 (例えば、フィールドの文字列を選択したときなど) で変更されます。
Clipman は、デフォルトクリップボードのみ処理しますが、オプションで選択領域を扱うこともできます。選択領域を扱う場合は、デフォルトクリップボードは常にそれとの同期がとられ、同じ内容になります。
Clipman は、クリップボードの履歴を保持し、それらを復元するために使われます。履歴はメインアイコンをクリックして表示されるメニューに表示されます。メニューから、復元するアイテムの選択、履歴のクリア、およびクリップボードマネージャの有効/無効の切り換えが行えます。
Clipman を実行するには 2 つの方法があります。一つは、アプリケーションメニューのアクセサリにある Clipman を選択するか、コマンドラインから xfce4-clipman-plugin
と入力して起動する方法、もう一つはパネルに追加する方法です。パネルに新しいアイテムを追加するには、パネルを右クリックして「新しいアイテムの追加...」を選択してください。
設定ダイアログは、メインアイコン上の右クリックで表示されるコンテキストメニューの「プロパティ」アイテムを選ぶと表示されます。ここでは履歴の設定およびアクションの編集が行えます。
以下の表は、利用可能なオプションについて説明しています:
表1 設定ダイアログでの一般オプション
オプション | 説明 |
---|---|
選択領域と同期をとる | 領域を選択しただけで貼り付けできるよう、プライマリクリップボードとデフォルトクリップボードの同期がとられます |
履歴に残さない | プライマリクリップボードの内容を履歴に格納しません |
終了時に保存する | 履歴を保存し、新しいセッション開始時に復元します |
画像を格納する | 履歴に画像を格納することができます |
履歴のサイズ | 文字列履歴に保持するアイテム数を設定します |
一つのアクションは、アクション名と正規表現の組み合わせからなります。各アクションは一つ以上のコマンドを持つことができます。アクションのサポートは任意であり、「アクションを有効にする」オプションにより有効/無効を切り換えることができます。
アクションを追加するには追加アイコンをクリックし、編集するにはアクションを選択して編集アイコンをクリックするかアクションをダブルクリックし、削除するにはアクションを選択して削除アイコンをクリックします。アクションの追加または編集により新しいダイアログが表示されます。
アクションについてのより詳しい情報は、「アクション」 を参照してください。
Clipman は、xfce4-panel
チャンネルへの設定の保存に Xfconf を使用します。これにより xfconf-query
ツールで設定の変更が行えます。以下の表はすべてのプロパティと設定可能な値のリストです:
表2 Xfconf プロパティ
プロパティ | データ型 | デフォルト | 値 |
---|---|---|---|
/plugins/clipman/settings/add-primary-clipboard | bool | false | ture でプライマリクリップボードとデフォルトクリップボードの同期をとります |
/plugins/clipman/settings/enable-actions | bool | false | true でアクションを有効にします |
/plugins/clipman/settings/history-ignore-primary-clipboard | bool | false | true でプライマリクリップボードの内容を履歴に残しません |
/plugins/clipman/settings/max-images-in-history | uint | 0 | 0-5 画像履歴の数です |
/plugins/clipman/settings/max-texts-in-history | uint | 10 | 5-100 文字列履歴の数です |
/plugins/clipman/settings/save-on-quit | bool | true | true で新しいセッション開始時に履歴を復元します |
コマンドラインで設定を変更するには:
xfconf-query -c xfce4-panel -p <property> -s <value>
アクションはマッチするパターンを説明する名前を持つことができます。マッチは選択した文字列に対して行われ、パターンは正規表現で指定します。アクションは少なくとも一つのコマンドと、その名前を持たなければなりません。マッチした文字列はコマンド内で再利用できます。
基本特殊文字: ".?+*(|)[]\
".
.
”: 任意の一文字にマッチします。?+*
”: それぞれ、直前の文字が 0 個か 1 個、1 個以上、および 0 個以上あるときにマッチします。(|)
”: グループ化と置換に使用されます。バーチカルバー“|”は論理和演算子として使用されます。[^]
”: 括弧内に含まれる 1 個の文字または特殊文字にマッチします。サーカムフレックス“^”が先頭にあると論理否定となり、括弧内に含まれない 1 個の文字または特殊文字にマッチします。\
”: 特殊文字をエスケープします。基本英数字クラス: "A-Za-z0-9
"。文字クラスは文字のセットにマッチさせるために角括弧“[]”内で使用されます。
bug ?#?[0-9]+
": 文字列 "bug"、0 個か 1 個のスペース、0 個か 1 個の番号記号“#”、および 1 個以上の番号にマッチする。(http|ftp).+\.(jpg|png|gif)
": 文字列 "http" または "ftp"、1 個以上の文字、ピリオド“.”、および文字列 "jpg"、"png"、あるいは "gif" にマッチする。http://.{120}[^ ]+
": 文字列 "http://"、120 個の文字、および 1 個以上のスペース以外の文字にマッチする。正規表現については、Wikipedia の記事などを参照してください。
バグの報告や要望は、http://bugzilla.xfce.org/ にあるバグ追跡システムを使用して下さい。このソフトウェアの使い方に関する質問があれば、Xfce メーリングリスト で尋ねるか、IRC クライアントで irc.freenode.net のチャンネル #xfce に参加し、助けを求めてみてください。
Clipman は Eduard Roccatello によって製作され、Nick Schermer によってメンテナンスされていました。現在は Mike Massonnet (<mmassonnet@xfce.org>
) によって製作されています。より詳しい情報は Clipman ウェブサイト を参照してください。
この文書は Mike Massonnet (<mmassonnet@xfce.org>
) が製作しました。この説明書に関するコメントやご提案は <mmassonnet@xfce.org>
までお願いします。
このソフトウェアはフリーソフトウェア財団が公表する GNU 一般公衆利用許諾契約書の条件下に配布されています。第2版あるいは、(あなたが選ぶ) それ以降の版のいずれかが適用されます。
このプログラムには、GNU 一般公衆利用許諾契約書のコピーが附属するはずですが、もし無いのであればフリーソフトウェア財団 (51 Franklin Street, Fifth Floor, Boston, MA 02110, USA) に連絡してください。